日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構(通称IMSARJ:いむさじぇい)は、安全登山を目指した、「遭難対策及び安全登山指導関係者、行政関係者、地元山域に詳しい関係者、マスコミ関係者」などの専門家から構成される研究会です。

 

現在、我が国では、年間約1500件近くの遭難が発生し、遭難者の数も1800人を超え、死者も270人前後と、非常に深刻な状況にあります。しかし、各事故を調査・研究し、対策を講じるには、その問題を研究する組織がありません。すでに、全国山岳遭難対策協議会を始めとして、事故対策問題を報告する集まりは数多くありますが、報告会的な色彩が強く、専門家がテーマを設定して研究し、対策を考えていく専門組織ではありません。一方、事故が発生しても、その原因について第三者的・中立的な立場で調査・研究する組織がありませんので、事故に関わった当事者自らが参加して、事故の原因や責任問題を論じることが、日常的に行われております。当然、その調査結果は、透明性、公平性などの問題が、社会から長期にわたって問われることになります。

 

そこで、日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構の基本的な活動は、あらかじめ様々な分野における専門家を登録しておき、テーマごとにワーキンググループ(WG)をたちあげ、研究活動、遭対活動を行うものです。まず、SAR研は研究活動を組織し、管理する本部組織をおきます。管理組織の主な仕事は、各WGでの活動が、利益誘導行為に傾いていないかどうか、公平性、透明性、客観性、情報保護を維持しているかどうかを管理(評価・指導)する役割を果たします。なお、管理組織活動の中心は神戸登山研修所におかれますが、WG活動の場所は特定しておりません。

 

これらの条件を満たした上で、WGは調査・研究をすすめていき、海外関係団体あるいは研究者との交流なども含めて、その活動成果を社会に還元することを目指します。